カバーCDで聴くI've Sound
「EXIT TRANCE」編

(Date.2011.5.21)

カバーCDで聴くI've Sound 「EXIT TRANCE」編


以前にどこかで書いたようにも思うのですが、自分はいわゆるアニソンカバーというものが好きで、
比較的オリジナルに忠実なアレンジから、原曲破壊系アレンジ、トランス風やユーロ風、ハウス風、
女性ボーカル曲を男性がカバーしたものや、その逆など、様々なアレンジの種類に関わらず、
あれやこれやと聴き倒すのがちょっとした楽しみになってます。

アニソンに限らず、カバー曲全般が好きではあるのですが、特にアニソンのカバーCDについては、
選曲のラインナップが琴線に触れたものなんかは、ついつい購入に走りがち。
気付いたら自室のCDの棚がそれ系のCDで埋まりつつある勢いです。棚がカラフルになるよね。

itunesのライブラリ検索で「創聖のアクエリオン」が30パターンくらい出てくる状況は、
自分でも流石に頭を抱えましたというか、普通に検索の邪魔!
アクエリオンと残酷な天使のテーゼはいくらなんでもカバーされ過ぎだと思います。

そんなカバーCDの中でも、特にI've Sound関連楽曲のカバーが入っていると、
やはりI'veファンとしてテンションが上がります。クオリティによっては時々下がります。
最近のアニメカバー系CDではI've楽曲の入曲率も上がってきていて、追う方としても割と大変。
中でも「JOINTや」「七転八起☆至上主義」なんかは特にカバーされがちですね。

という訳で、ここで突然ですが不定期企画!
「カバーCDにおけるI've Sound」に一言コメントしてみようという最高に自己満なコーナー!

流石に持ってるもの全部にコメント書くのは曲数的に厳しいので、掻い摘んで。
今回は「EXIT TUNES」さんのアニソントランスカバーシリーズ「EXIT TRANCE」に絞ってみました。
今後も気が向いたら、また別のシリーズに絞って同じようにつらつら書いていこうかなと。



*  *  *      *  *  *      *  *  *





Shooting Star/MAKI


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス 4
自分にとってこの「Shooting Star」は、数あるI've楽曲のカバーの中でも、
最も衝撃を受けたアレンジであり、なおかつ最も好きなアレンジ。あと最もむず痒くなるアレンジ。
限界までKOTOKOさんの唄い方をトレースしたMAKIさんの頑張りがとにかく凄い。
KOTOKOさんの歌い方の特徴を的確に捉えつつも、決して100%は捉え切れてはいない、
この絶妙なさじ加減が、不思議な魅力を醸し出しています。「エ行」が特に神。
KOTOKOさんのファンにこそ分かって欲しい、この「あるある加減」と「イライラ加減」の相乗効果。
基本的な声質は全く異なるのに、ここまで本人に近い雰囲気を出せるのは、完全に一芸の域。





Re-sublimity/chum


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス COMPLETE BEST
「SPEEDアニメトランス」の1作めにもこの「Re-sublimity」のアレンジは収録されているのですが、
そちらは声をいささか加工し過ぎていて、正直ミクさんに唄って貰った方が良かったのでは?
というクオリティなのですが、こちらのベスト盤で再録され多少マシになりました。
初代の時にあった機械的なエフェクトが極力抑えられ、かなり聴きやすくなってます。
ただ、エフェクトが少なくなった代わりに、今度は余計に粗が目立つという印象も。
というか、その、単純に下手。冗長かつ、最後まで安定しない歌声は、一周回ってなんか和みます。
しかし思い返すと「Re-sublimity」をまともに唄えた人を見たことがないというか、
それだけ難易度の高い曲に合えて挑戦し、あまつさえ再録に挑んだという心構えに対しては、
単純に拍手を送りたいです。あとこのCD以降、chumさんの名前を見ないのが若干寂しい。





Red fraction/Florence


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス COMPLETE BEST
加工過多の声に、統一感のないアレンジ、無駄に速いテンポと、個人的には何故リミックスした大賞。
BPMを上げれば良いというものではない。全英詩曲にも拘らず、そもそも英語に聴こえない、
というか地球の言葉に聴こえないというのは本当に致命的。
ただでさえ聞き取り辛い歌詞は、メロはともかくサビにおいては特に顕著で、
何を云ってるか分からないどころか、伴奏に打ち消されてもはや声が聴こえない。
COMPLETE BESTはベストというだけあってI've楽曲のカバーも多く収録されているのですが、
前述の「Re-sublimity」や、溺れながら唄っているとしか思えない「ひぐらしのなく頃に」等々、
どうも楽曲と噛み合っていないアレンジが多く目に付くのが残念です。





being/DJ Sa9 vs. Judas feat.PECO


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス 7
EXIT TRANCEにおけるKOTOKOさんのカバーはMAKIさんで決まり!と、
自分の中では既に大決定していたのですが、こちらは別の方によるカバー。
PECOさんと云っても、もちろん島みや先生のことではない(というかこのネタまた通じるかな)
MAKIさんによるカバーとは違い、KOTOKOさんらしさはほぼ皆無ながらも、
その歌唱力の高さに加え、原曲にある壮大さと透明感を決して損なわない、
正統派のアレンジに仕上がっています。常にそうあって欲しい。
本家を極力意識し、謎のこだわりを見せ、そして時々自爆するEXIT TRANCEのアレンジの中でも珍しく、
単純に完成度の高い素直なアレンジ。聴くと、「おっ!」と思う部分は必ずあると思います。





masterpiece/Hommarju feat.Latte


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス 7
EXIT TRANCEにおけるKOTOKOさん担当がMAKIさんならば、
川田まみさん担当はこのLatteさんで決まり(個人の主観です)
まみさんを極限まで意識した唄い方には、やはりニヤニヤを禁じえません。
再現しきれてはいない、けれども確実にその頑張りの伝わるビブラート、否、まみブラートには、
原曲を尊重し過ぎて、若干変わり映えがしないアレンジを補ってあまりある魅力があります。
「I've Soundあるある」が伝わる方にはきっと分かっていただけるであろうこの感覚。
前述の「Shooting Star」と同じく、ファンの方にこそ是非聴いて頂きたいカバーです。





天壌を翔る者たち/MK feat.MAKI+YURiE+Latte


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス THE MOVIE
これは凄い。そもそもこれをカバーしようという発想が凄いのですが、
何が一番凄いかと云えば、その再現度。それぞれのパートのタイミングや、
声の使い分けもしっかりできていて、本来は5人による楽曲を3人で唄っているのにも拘らず、
ほとんど違和感を感じません。KOTOKOさん&カオリン担当がMAKIさん、
えい子先生担当がYURiEさん、MELL様&まみさん担当がLatteさんでしょうか。
この手のカバーにありがちな、BPM上げればイイじゃんスゲーじゃんな流れは排され、
原曲を尊重しつつ、また壊さない程度に新しい解釈が盛り込まれたアレンジは割と必聴。
SPEEDアニメトランスシリーズ全体を通しても好きなアレンジの一つです。
また、これが収録された「SPEEDアニメトランス THE MOVIE」は、
いわゆる劇場アニメの楽曲のカバーが中心のアルバムなのですが、
「beautiful world」や「oblivious」、「LAST IMPRESSION」等々、選曲の良さもさることながら、
各曲のアレンジのクオリティも高いので、オススメの一枚です。 でも「少年期」はスゲー酷い。





同じ空の下で/Judas feat.MAKI


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス BEST エクスタシー
思い入れやネタ抜きにして、単純な完成度で云うなら、
これがSPEEDアニメトランスシリーズにおけるI've楽曲のカバーで、一番じゃないかと思います。
よりアップテンポにアレンジされ、ほとんど別曲になっている印象を受けるのですが、
それでいて根本的には崩壊していない、むしろこれはこれでありと思える良アレンジ。
そしてMAKIさんのKOTOKOさんトレス技術はここに来てさらに腕を上げています。
続編では減速した感の否めないエクスタシー(PCゲーム楽曲カバー)シリーズですが、
初代であるこの1枚は、それぞれの選曲のセンスに加え各楽曲のアレンジの質も高く、
よくよく酷評されがちなカバーCDの中でも珍しく評価が高いので、チェックして損はないかも。
あと、エクスタシーとか云いつつ(タイトルロゴもかなり意識しているにも拘らず)、
リトバス関連楽曲は1曲も入っていない辺りが一番の突っ込みどころ。





SHINING STARS BLESS☆/Icon feat.MAKI


from EXIT TRANCE PRESENTS SPEEDアニメトランス BEST エクスタシー 2
歌い出しに限って云えば、本人と聴き間違えかねないレベル。ほんの一瞬だけね。
流石に細かいところでは本人との差異が大きく見えてきてしまうのですが、
それでもこの再現度は流石の一言。言い過ぎかもですが、個人的には鳥肌モノでした。
MAKIさんの力量ならば、一人で「KOTOKO to 詩月カオリ」が十分に再現可能だと思います。
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